論文解説

腸脛靭帯炎について

腸脛靭帯 腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋と大殿筋の付着部並びに腸骨稜を起始とし、脛骨外側にある ガーディ結節に付着する。 股関節内転や膝関節内旋を制限し、股関節や膝関節の安定機構として働くため、股関節と 膝関節の両方に関与する。 膝関節伸展位では大腿骨外側上顆の前方に位置している 腸脛靭帯炎とは? 膝関節外側の痛みを主な症状とするスポーツ障害である。 <特徴> ・膝関節屈伸時、膝関節外側に差すような痛みが生じる。 ・走り始めにはあまり痛みが現れないが、走行距離の増加と共に痛みが出現、増加する。 ・安静によって痛みは減少、もしくは治まるが、ランニング再開によって再発する可能性 が高いと言われている。 ・他の症状としては、膝関節外側(大腿骨外側上顆上)腸脛靭帯部分での圧痛、軽度の膨 張が挙げられる。
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仙腸関節障害について

仙腸関節 仙腸関節は、骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節である。 周囲の靭帯により強固に連結されていて、仙腸関節は脊髄の根元に位置する。 日常生活の動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根元からバランスをとっていると考えられている。 仙腸関節障害 中腰での作業や不用意な動作、繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生する。 出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いとも言われている。 老若男女を問わず腰痛の原因となる。 <症状> ・片側の腰臀部痛・下肢痛が多い ・仙腸関節を中心とした痛みが一般的だが、臀部、鼠経部、下肢などにも痛みを生じる ことがある ・長い時間椅子に座れない ・仰向けに寝られない ・痛い方を下にして寝られない ・歩行開始時に痛みがあるが徐々に楽になる ・正座は大丈夫という人もいる ぎっくり腰のような急性腰痛の一部は、仙腸関節の捻挫が原因と考えられていて、仙腸 関節の捻じれが解除されないまま続くと慢性腰痛の原因にもなる。
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膝痛について

膝痛とは 主に膝関節の周辺が痛くなる病気。膝関節痛もこの中に入る。 一般的に多く見られるのは下記の3つの疾患である。 ・変形性膝関節症 ・関節性リウマチ ・半月板損傷 ■変形性膝関節症 膝関節症の原因として、最も多く、日本には2500万人もいると言われている。 加齢や怪我によって軟骨がすり減り、膝軟骨が変形してしまう病気。 ⇒女性がなりやすい病気で、高齢になるほど発症率が高まってくる。 自覚症状がない人も多く、発症したからと言って必ずしも痛みが伴うわけではない。 しかし、関節の変形は徐々に進行していき、それに伴って痛みも増していく。
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鵞足炎について

鵞足とは 膝の内側に、縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つ腱が集中していて、ハムストリングや内転筋などの筋肉につながっている。これらの腱が集まった状態を後ろ側から見ると、ガチョウの足のような形に見えることから、この部分を「鵞足」と呼んでいる。 鵞足炎とは 膝の痛みを引き起こす可能性のある障害や病気の一つである。膝の内側に痛みや腫れが生じる。 ・運動している時 ・膝の曲げ伸ばしをした時 ・患部を指で押した時 ・ハムストリングスの内側を伸ばすストレッチをした時 などに疼痛が起きる。 膝を最大限伸ばした時に痛みが起こりやすく、階段の昇り降りに支障をきたすことも多い。 初期は膝を動かした時のみ痛むが、悪化すると安静時にも痛みが出て、日常生活にも支障をきたす。 走りながら方向転換をする時に、膝が内側に入る動作(外反)や下腿をひねる動作(外旋)をしたときに、鵞足部分の腱と骨、又は腱同士がこすれて炎症が起こりやすくなる。
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姿勢と筋力とバランス能力について

「姿勢改善」呼吸筋活動による効果研究 <目的> 呼吸筋群活動が、姿勢アライメント改善に与える影響についての検討と、呼吸介入が姿勢 改善に及ぼす影響について明らかにする <対象> ・呼吸に支障のない健康な成人20代~50代の15名 <検査手順> ・3群のグループに分け、呼吸方法の違いによる比較を行う A群:自然呼吸グループ B群:呼気優位呼吸グループ(呼気7秒・吸気3秒) C群:均等呼吸グループ(呼気5秒・吸気5秒) ・各グループ内一人ずつ各5分間深呼吸をして、未介入姿勢と介入姿勢とを矢状面に撮影し、姿勢の指標とする骨関節位置を垂直線上からの角度で計測した ・5分ほどの短期的な検証と、それを一週間継続した長期的なものの2種類検証を行う <呼吸方法> ・A群:呼吸秒数指定を行わず、日常的な自然な呼吸をするよう指示 ・B群:7秒呼気・3秒吸気の合計10秒とした ・C群:B群と同じ合計10秒とし、吸筋活動の割合を増やし、呼気優位の比較をするものとした(吸気筋優位、3秒吐き7秒吸う方法は、過呼吸症状や貧血症状などを誘発する危険性があるため、実施しなかった) <姿勢の評価> ・タブレットカメラにて撮影した画像を、姿勢角度(関節位置の角度測定)を客観的に 評価できるようにした(誤差が出ない分析評価が可能)
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ゴルフ肘について論文解説

「上腕骨内側上顆炎」は、ゴルフによって頻繁に起こることからゴルフ肘と呼ばれる。 インパクトから、フォロースルーにかけて、前方にある持ち手の前腕が最大限回内していく。手首が硬い人・手首の筋力低下がある人は、この前腕回内動作ができなくなっていき、「前腕回内制限→肩の内旋で手首の向きを調整する」ことを繰り返す。 前腕の回内制限があると・・・リバースアクション(末端よりも中枢側が動く)により スイングの際に肘が曲がり、脇が浮きやすい(肩が内旋した)スイング動作となる。
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テニス肘について論文解説

テニス肘とは、上腕骨外側上顆炎のことで、1882年にMorrisがテニスプレーヤーのバックハンドストロークにて生じる上腕骨外側上顆炎を``lawn tennis elbow’’という用語で表現したことからtennis elbow(テニス肘)が世に知られるようになった。 上腕外側上顆炎をバックハンドテニス肘、上腕骨内側上顆炎をフォアハンドテニス肘 (ゴルフ肘)と表現されるようになる。 「テニスラケットを振る」・「ボールを打つ」などの動作を繰り返すことで、手首を伸展させる筋肉(短撓側手根筋)に負担がかかり、この筋肉が骨に付着する箇所に疼痛が起こる。 スポーツ以外でも、重いものを手で持って運んだり、重い物を片手で引っ張り上げたり 片手(片腕)で何度も物を持ち上げたり腕を回すような作業で発生する場合もある。